Written by 葬儀屋さん1年生 freshman
葬儀屋さん1年生、
葬祭業のことは右も左も分からない新人ですが、
そんな素人が葬儀屋さんで日々勉強した事や
葬儀屋さんでの日常を書いています。
Written by 葬儀屋さん1年生 freshman
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12月に入り、寒さが増してきた今日この頃。
季節が進んで、いよいよ冬だなという気候ですね!
年の瀬が迫って、大掃除や年越し準備…
なんて気持ちは焦ってきてしまう。
皆さま、たまには一息ついて
温かいお茶でも飲みながらゆっくりしましょう。
こんにちは、SKKフューネラルサービスの新人Mです!
冬支度、年越し準備を進めつつも、
体調を崩しやすい季節なので皆さまご自愛くださいね!
さて、今回は「ドライアイス」についてのお話です。
学生時代の実験などで、"ドライアイスは危険なもの"
というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、
まさか死亡事故が起こるほどの危険なものという
イメージまで持っている方は多くないと思います。
葬儀屋では、故人様のお身体保全のために、
ご逝去後にはできるだけ早くお体にドライアイスを
当てますが、ドライアイスの取り扱いには、常に十分に
配慮しており、ご安置や搬送でも換気に気を付けています。
今回は、そんな気を付けないと本当に危ない
ドライアイスの危険性についてお伝えします!
ドライアイスの特性
ドライアイスとは二酸化炭素の個体で、
-78.5℃で固体から気体に昇華し
1kgのドライアイスは、約500ℓ の気体に膨張します。
二酸化炭素の気体は無臭・無色で、空気の約1.5倍の重さがあり、
拡散しても低い場所へ流れてたまる特性があります。
ドライアイスを常温に出した時に見られる白煙は、
空気中の水分が温度低下で水や氷の粒になったものです。
科学の授業のようですが、このようなドライアイスの
特徴から、以下の危険性に注意が必要です。
・素手で持ったり皮膚に直接触れることによって
凍結、低温火傷をする。
・ペットボトルや瓶などの密閉容器内で気化して
破裂する。
・溜まった二酸化炭素を大量に吸い込むことにより
二酸化炭素中毒になる。
◆ 人体への影響 ◆
二酸化炭素濃度が高い場合には、
呼気への二酸化炭素への排出が阻害され、
中毒症状があらわれて生命に危機が及びます。
二酸化炭素中毒は酸素濃度が十分にある場所でも生じるほど、
高濃度の二酸化炭素は有毒性が高いのです。
また、症状を自覚してから意識消失までの時間が
短いこともとても危険です!
体調の変化を自覚してから安全な場所に移動する時間がない
事も多く、発見が遅れると死に至る事もあります。
二酸化炭素は、濃度10%でも意識消失の恐れがあるそうです。
頭痛やめまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れ、
30%以上の濃度では、吸い込んで即時に意識を失うほどの
危険性があるそうです。
実際にあったドライアイスでの事故事例
ここ数年の間にも、ご葬儀に関わるドライアイスでの
悲しい事故が何件か起こっています。
ニュースにもなって知っている方もいるかと思いますが
幾つかの実際にあった事故事例をお伝えします。
○ 葬儀場において、ドライアイスを敷き詰めた
お棺の小窓を開けたそばで意識不明の状態で発見され、
搬送先の病院で死亡した。
○ 自宅において、ドライアイスを敷き詰めた
お棺内に顔を入れた状態で発見され、死亡が確認された。
○ 葬儀場において、ドライアイスを敷き詰めた
お棺内に顔を入れた状態で発見され、
搬送先の病院で死亡した。
ここ数年だけでも、このような死亡事故が起こっています。
ドライアイスを入れたお棺には、二酸化炭素が充満しています。
ご安置中のご面会などで、そんなお棺の中に顔を入れたり、
顔を近づけた状態で長時間いると、二酸化炭素中毒を起こす
危険性があるのです。
また、納棺せずにご自宅にご安置している場合なども、
ドライアイスを当てた状態で同じ部屋で添い寝を
していたご家族が亡くなってしまう事故もありました。
二酸化炭素は低い場所に滞留するので、
横に添い寝をしてしまうと高い濃度の二酸化炭素を
吸ってしまう可能性があり、非常に危険です。
国民生活センターの二酸化炭素濃度テスト
国民生活センターが、棺内の二酸化炭素濃度が高くなった
状態から蓋を開けた際の二酸化炭素濃度の推移を調べたそうです。
テストでは、敷布団を敷いたお棺にダミー人形を入れ、
脱脂綿で包んだドライアイスを4個、合計10kg設置し、
お棺内の二酸化炭素濃度の推移を気体検知管で測定しています。
室温20℃、湿度50%に設定した室内で行われた
このテストでは、二酸化炭素濃度は、テスト開始直後
から急上昇し、20分後には「ほとんど即時に意識消失」
するレベルの濃度30%を超えたそうです。
その後も二酸化炭素は上昇を続け、4時間後には
90%前後でほぼ一定になったそうです。
この結果からも、ドライアイスの入ったお棺に
顔を入れる・近づける行為はとても危険だ
ということが分かるかと思います。
ご自宅にご安置する際の注意点
・お棺の中に顔を入れない
・長時間そばにいない
・ご安置している部屋の換気を行う
・お棺のそばで1人にならない
・少しでも気分が悪くなったらその場からすぐ離れる
・添い寝をしない
前述の事故事例でも分かる通り、葬儀社などでの
ご安置中のご面会時も危険はあります。
ほとんどの葬儀社では、注意事項をお伝えしたり、
離れた位置で付き添っている場合が多いですが、
故人様との大切なご面会の機会、ご家族様だけにと
気を遣ってその場から離れる事も少なくありません。
ぜひご自身のことも大切にしながら、
故人様との時間を過ごしてくださいね。
ドライアイスでの悲しい事故のニュースもあり、
業界全体でも注意喚起を強化する動きが出ていて
今回はドライアイスの危険性についてお伝えしました!
そうは言っても、故人様のお身体を腐敗から守るため
ドライアイスで冷やす事はとっても大切なことです。
大切な方を亡くされて、少しでもそばに居たい、
近くで見たい触れたいという気持ちは当然だと思いますが、
故人様が悲しまないよう、遺された方々は
ご自身の事にも気を配りながら
最期の時間を過ごしていただきたいなと思います。
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