Written by 葬儀屋さん1年生 freshman
葬儀屋さん1年生、
葬祭業のことは右も左も分からない新人ですが、
そんな素人が葬儀屋さんで日々勉強した事や
葬儀屋さんでの日常を書いています。
Written by 葬儀屋さん1年生 freshman
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日が落ちるのがめっきり早くなり、
そろそろ夏の終わりを感じ始める今日この頃。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
こんにちは、SKKフューネラルサービスの新人Mです!
夏の終わりを感じ始めたとはいえ、
まだまだ残暑も厳しいですよね。。
引き続き、熱中症には気を付けていきましょう!
さてさて、今回は少し悲しいお話です。
もちろん誰が亡くなっても悲しい事ではありますが、
生まれてくる事を心待ちにしていた赤ちゃんを
お腹の中で失ってしまう…
その悲しみは想像を遥かに超えますよね。
流産や死産は悲しい事ですが、決して珍しい話でもないそうです。
そして、生まれてくる前に亡くなってしまった子たちは
その週数によって定義や対応が変わってくるのです。
今回は、そんな死産になってしまった場合のお話です!
<死産の定義>
死産とは、赤ちゃんを死亡した状態で出産することです。
ただ、死亡した状態で出産するということは
週数によって捉え方が異なるようです。
日本産婦人科学会は、妊娠22週未満を流産、
22週以降を死産としていますが、日本の法律上は、
妊娠12週以降の亡くなった赤ちゃんの出産 を死産と定義しています。
赤ちゃんが死産になってしまった場合、
法律上いろいろな手続きをしなければなりませんが、
その手続きが週数によって変わります。
<死産の際の届け出>
妊娠12週以降の死産になってしまった赤ちゃんも、法律上
火葬(または埋葬)しなければならないと決まっています。
その火葬をするにあたり、各役所で死胎火葬許可証を交付してもらい、
それを火葬場に提出する必要があります。
一般的に、日本で人が亡くなった際には「死亡届」を提出して
「火葬許可証」を交付して貰うのと同様に、
死産の場合も届け出が必要になります。
◆妊娠12週から22週までの死産の場合
妊娠12週から22週までの間で赤ちゃんを死産した場合には、
「死産届」の提出が必要になります。
届出人の住民票のある自治体、もしくは
死産した病院がある自治体の役場のみ提出ができ、
原則死産から7日以内に提出することになっています。
死産届は、死産を診断した病院で「死産証書」(または死胎検案書)と
ともに受け取ります。
◆妊娠22週以降の死産の場合
妊娠22週以降の赤ちゃんの場合は、
「母胎外での生存が可能」と見なされ、亡くなった赤ちゃんを
出産するのではなく「新生児の早産」と解釈され、
出生後すぐに赤ちゃんが亡くなったものとされています。
そのため、「死産届」ではなく「死亡届」を提出しなければならず、
同時に「出生届」も提出する必要があるのです。
出生届を提出するという事は、もちろん命名もしなければなりません。
そして戸籍にも記載されます。
おなかの中の赤ちゃんを失っただけでも悲しいのに、
そこから僅か1週間の間に命名して届け出を提出する…
酷すぎる決まりだと思ってしまいましたが、現在の日本の法律上
この作業が必要になってくるそうです。
<死産の際のご火葬>
前述した通り、死産であっても火葬をしなければりません。
一般的にはお葬式をされない方が多いですが、
身内のみの家族葬でお葬式を執り行う方もいます。
お葬式を執り行う場合もご火葬のみの場合でも、
ご火葬の際には小ぶりなお棺に体を納め、火葬場にて火葬します。
通常は葬儀社に依頼し、お棺なども手配しますが、
場合によっては病院でお棺を用意することもあるそうです。
■ 遺骨はどうする?
前提として、赤ちゃんなどの小さな骨の場合、
ご火葬時にお骨が残らないケースも少なくありません。
火葬炉は非常に高温になるため、故人様が子供の場合などは
朝1番の火葬が原則という火葬場も多くあります。
それでもお骨が残らないという場合もあります。
死産の場合のご火葬はかなりの高度な技術が必要だそうで、
熟練の火葬士でもキレイに遺骨を残せないこともあるそうです。
※東京都の四ツ木斎場では、赤ちゃん専用の火葬炉
「小型炉」があります。
火葬後のお骨は、法律上埋葬しなければなりません。
菩提寺が既にある場合は菩提寺に納骨しますが、
自治体や民間企業が管理しているお墓や納骨堂、
合同墓地などに埋葬します。
一部を残して手元供養にしたり、
アクセサリーとして身に着けたり、
海などに散骨される方も多いです。
■ 安置が必要なケース
一般的に、人が亡くなってから24時間はご火葬が出来ず、
ご安置することが法律で定められていますが、
死産の場合も妊娠24週以降の場合、
火葬前に24時間の安置が必要となるので注意が必要です。
元気に生まれてきてくれることを心待ちにしている中
突然の死産は、言葉にできないほどの悲しみだと思います。
法律上の必要な手続きとは言え、もう少し改正しても良いのでは…
と個人的には思ってしまいますが、
例えお腹の命とはいえ、1人の人間として同じように扱われる
という事なのかもしれません。
生まれてくるはずだった命はかけがえのないものですが、
お母さんもまたかけがえのない存在です。
死産を経験された方々が、赤ちゃんのおみおくりを経て
いつかまた前を向いて歩きだせると良いなと思いました。