葬儀
埋葬方法

人が亡くなった後、火葬をしてから埋葬するのは当たり前だと思っていました。

当然のように世界中でも同じように火葬しているものだと思っていましたが、どうやら違ったようです。

 

 

 

 

日本での火葬はいつから主流になったのでしょうか。

調べてみてもはっきりと何年から火葬が始まったとは書かれていませんでした。

古くは縄文時代の遺跡から火葬された遺骨が発見され、古墳時代後期の古墳からは火葬の跡が見つかっているようです。

平安時代には皇族、貴族、僧侶が火葬されるようになりました。

この時期には全員が火葬されるわけではなく、特別な人だけが火葬されて、その他の人は土葬が一般的だったとか。限られた人のみの火葬には燃料や費用が掛かったことも理由の一つだそうです。

 

火葬と言っても今のようなきちんとした火葬場があったわけではなく、簡単なつくりの建物の中で火葬をしていました。その為、煙や臭いの問題から健康被害も出るなどの様々な理由から明治6年には火葬禁止令も出ています。その後、人口増加により土葬する場所の確保が難しくなり、土地の価格高騰があったことにより、明治8年に火葬禁止令が廃止になっています。

大正時代になるときちんと整備されたした火葬場ができ始め、現在のように火葬が主流になったそうです。

今では日本での火葬はほぼ100%に近くなり、世界的に見てもトップクラスになりました。

 

 

 

 

海外の埋葬事情

 

中国や韓国も儒教の教えにより土葬が主流だったようですが、土地不足や世代の考え方の変化により、火葬が増えてきているそうです。

また、中国の一部では土葬を禁止している地域もあります。

 

キリスト教徒が多いアメリカやヨーロッパでは土葬が主流でしたが、やはり土地不足などを理由により火葬が徐々に増えてきていています。最近のイギリスでは80%近くが火葬になってきているそうです。

アメリカの火葬炉の火力は日本と比べても火力がとても高いため、骨は残らずほとんど遺灰になるという事に驚きました。

 

インドではヒンズー教がほとんどなので火葬が主流になっていますが、他の国との違いは遺骨や遺灰をガンジス川に流すことです。生活水に使用しているガンジス川に遺骨を流すとはびっくりしました。

また、場合によっては火葬せずにそのままガンジス川に流す水葬もあるとか・・・

 

初めて耳にしたのですが、チベット高地やインドの一部では今でも鳥葬が行われているそうです。鳥葬儀とは遺体を鳥に食べてもらう埋葬方法です。チベットの高地という環境から火葬するには薪が確保できず、岩山が多いため埋葬も難しい。宗教的な考えもありますが自然とともに暮らすチベットでは鳥葬は理にかなった埋葬方法なのですね。

 

 

 

 

世界の埋葬方法の種類

 

火葬:遺体を焼却する

土葬:遺体をそのまま地面に埋める方法

散骨:火葬後の遺骨を粉末にして、海・山・川・空などにまく

水葬:遺体を海や川に流す

鳥葬:遺体を取りに食べさせる

塔葬:チベットの仏教の一部で高僧などに行う、火葬した遺体を霊塔の中で保存する

樹木葬:埋葬した場所に樹木を植える

風葬:遺体を埋めずに雨風にさらし風化させる

野ざらし葬:遺体を野原や林に放置して腐敗風化させる

洗骨葬:遺体を腐敗風化して骸骨にしてから、それを洗って清めたのち再度埋葬する

冷凍葬:遺体を冷凍した後に粉砕して粉にしてから乾燥させて埋葬する

宇宙葬:遺体や遺骨を宇宙に打ち上げる

エンバーミング:遺体に保存処理を施し、長期保存する

 

 

 

 

日本で選択できる埋葬方法には限りがありますが、世界に目を向けると様々な埋葬方法があり、日本での常識とは大きく異なるので驚きました。

基本的にはキリスト教やイスラム教では火葬は行わないそうですが、世界的にも徐々に火葬が増えているそうです。理由は衛生的な問題もありますが、土葬ができる土地が少なくなったことで土地の価格が高騰してしまったことが大きいとの事です。

葬儀のマナーや埋葬方法などは宗教ごとに異なるので、何が正解というものではありません。

様々な考えから行われていたその地域独特の埋葬方法もあると思います。

国や地域が変われば考え方や宗教、居住環境も変わるので、埋葬方法にもその地域の特徴が表れると知りました。

Written by 葬儀屋さんの奥さん 

葬儀屋さんに長年勤務する夫を持つ主婦が書くブログです。 主人は普段仕事の話を全くしないので… 私もお葬式関係の事など勉強しながら書いています。

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